基礎知識

従業員による口コミ自作自演がNGな理由と現場で起きること

従業員の口コミ自作自演、「バレないだろう」は通用しない

結論から言います。従業員や関係者が自分の店にGoogle口コミを書く「自作自演」は、Googleの規約違反にあたります。さらに2023年のステマ規制(景品表示法の改正)により、消費者に関係者だと明示しない口コミは法的なリスクも伴う行為になりました。

「ちょっと星を増やしたいだけだから大丈夫」と思いがちです。でも実際には、バレる確率は思っているより高い。Googleは投稿者の端末情報・IPアドレス・行動パターンを機械的に分析しており、不自然な口コミは自動でフラグが立ちます。

うちの店で実際に起きた、自作自演口コミの失敗

経営して数年目のことです。エステの新メニューを出したタイミングで、当時のスタッフが「応援のつもりで」自分のスマホから星5の口コミを複数アカウントで投稿してくれました。悪気がなかったのはわかっています。でも、約2週間後にその口コミがまとめて削除されました。

それだけではありませんでした。その後しばらく、正当にいただいたお客さんの口コミも表示されにくくなった時期があり、Googleからの評価全体が下がった感覚がありました。1つの「善意」が、3ヶ月分の集客努力を台無しにしかけた経験です。

Googleが自作自演口コミを検知する仕組み

Googleは投稿された口コミを、AIと人力の両方でチェックしています。特に疑われやすいのは「同じWi-Fi環境からの複数投稿」「短期間に集中した高評価」「投稿履歴のほぼないアカウントからの書き込み」の3パターンです。

店内のWi-Fiに接続したままスタッフが投稿すると、店舗のIPアドレスと一致してしまいます。これが最もよく起きるミスです。「個人のスマホだから大丈夫」と思っても、接続環境まで切り替えている人はほぼいません。

自作自演が発覚したときに起きる3つのダメージ

  • 口コミの一括削除:不自然と判定された口コミはまとめて消される。正直な口コミも巻き添えになるケースがある
  • Googleビジネスプロフィールの停止:悪質と判断された場合、掲載自体が一時停止になることがある。MAP検索から消えると、来店数に直接響く
  • お客さんからの信頼喪失:SNSや口コミサイトで「自作自演では」と指摘されると、そのダメージは長期間残る

特に3つ目が怖い。飲食店を経営している知人の話では、スタッフの投稿がSNSで拡散され、Googleの評価が4.2から約3ヶ月で3.6まで落ちたそうです。広告費を月5万円かけていた時期と重なり、費用対効果がほぼゼロになったと話していました。

関係者が口コミを書くこと自体が、なぜ問題なのか

Googleのポリシーには「利害関係のある人物による投稿の禁止」が明記されています。これは、オーナー本人・従業員・家族・取引先など「店に関係がある人」全員が対象です。

2023年10月に施行されたステマ規制では、「事業者が関与した投稿」を消費者に明示しないことが問題とされています。Googleの口コミは「一般消費者の体験談」として表示される仕組みなので、関係者の投稿はその前提を壊す行為になります。個別の法的判断はケースごとに異なりますが、Google規約違反とステマ規制の両方に引っかかるおそれがある点は、経営者として把握しておくべきことです。

では、従業員に「口コミ協力」を頼んでもいいのか

完全にNGかというと、実際には判断が難しい部分もあります。ただ、安全な基準として「実際にサービスを受けたお客さんだけにお願いする」が原則です。従業員が自分の体験として正直に書くのではなく、架空の感想を「お客さんのふりをして」投稿するのがアウトです。

私の店では今、スタッフには口コミ投稿を依頼していません。代わりに、施術後のお会計のタイミングで「よかったらGoogleにご感想を」と一言お伝えする流れを整えました。これだけで、月に平均4〜7件ほどリアルな口コミが入るようになっています。

本物の口コミを増やす、シンプルな3ステップ

  1. お願いする「タイミング」を決める:満足度が高い瞬間(会計・退店前)に一言添えるだけで、投稿率が変わる
  2. QRコードを使う:口コミページへのQRコードをカードや領収書に印刷しておくと、お客さんが迷わず投稿できる。約8割のスマホユーザーはQRで即アクセスするという調査結果もある
  3. 返信を続ける:口コミに丁寧に返信することで、次のお客さんが「ちゃんと見てくれる店だ」と感じ、投稿意欲が上がる

自作自演で数を増やすより、1件の本物の口コミのほうが長期的な集客力ははるかに強い。Googleのアルゴリズムも、質の高い口コミを重視する方向に進んでいます。

従業員への周知も、オーナーの仕事のひとつ

スタッフが「応援したい」という気持ちで投稿するケースは少なくありません。悪意がないからこそ、事前に伝えておかないと防げないトラブルです。採用時や朝礼のタイミングで「関係者の口コミ投稿は規約違反になること」を一言共有しておくだけで、リスクは大きく下がります。

口コミは店の顔になる資産です。時間はかかっても、本物を積み上げることが結局一番の近道です。

この記事を書いた人

エステサロンや飲食店など複数の店舗を営む40代オーナー(店舗経営13年)。自分の店の現場でGoogle口コミ集客に取り組んだ経験をもとに、業種を問わず使えるノウハウを発信しています。

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